mom brainという言葉をご存知でしょうか?
直訳すると「ママ脳」。正式な医学用語ではないのですが、産後に記憶障害を体験する母親が多いことからmom brain、mommy brainと呼ばれています。
産後特有のmom brainの症状は、以下の通りです。
・ひどい物忘れ
・ボーっとしてやる気が出ない
・何をするのにも、億劫に感じる
・対人関係が面倒くさくかんじたりコミュニケーションがうまくとれない
・妊娠前にできていたことができなくなった
「産後、正にこんな状態だった!」「わかる!」と、頷ける方も多いかと思います。実際に患者さんや友人の話を聞いていても、多くの方が何かしらの不調を訴えています。もちろん、産後に全員がなる訳ではありませんし、我が子に出会えた喜びや妊娠中の息苦しさ・寝苦しさから解放されてスッキリした!というママさんもいます。
しかし、身体の中でも環境面でもジェットコースターのように大きな変化が訪れているのは、間違いありません。では、mom brainが発生する機序は医学的に証明されているのでしょうか?
mom brainに対する論文がほぼ見つけられなかったのですが、非常に興味深い記事を見つけました。
なんと産後だけではなく妊娠中から母親の脳には変化が現れ脳の灰白質が萎縮し、産後約2年かけて元通りになるというのです。脳萎縮と聞くとマイナスのイメージしかありませんが、逆に神経細胞間の接続微調整をはかっている、とも考えられると記載があります。
月経周期や妊娠維持に関わるエストロゲン・プロゲステロンが脳萎縮に関係するかはまだはっきりしていませんし、妊娠・産後の女性の脳に関する研究が進んでいないため不明な部分が多いのも事実です。
一般的には産後の環境・心身の急激な変化が関わっているというmom brainの原因はわかりませんが、産後のホルモン分泌量説は有力なのかな?と個人的には思います。
ただ、原因はそれだけではない気もします。産後は育児がスタートし、これまでの環境とは違った生活が始まり、当然睡眠不足にもなりがちです。「授乳やおむつ替えで、全然眠る時間がない!」「自分の時間が全くない…」「家事すらまともにできない」「体調を良くしたいけれど、セルフケアどころではない」こういった話をよく聞きます。
睡眠に関しては、短時間の睡眠でも質を改善できるように内耳点ローラーを推奨しています。もちろん、毎日無理のない範囲で片耳3分~5分だけでも取り組むと変化を感じられます。時間に追われて多忙な育児でも、少しでも睡眠の質が改善すれば、一日の身体の軽さや不調の具合が変わってきます。
ワンオペ状態だとなおさらセルフケアどころではない…と思うかもしれないのですが、ちょっとのスキマ時間でも活用することで、毎日の不安やつらさが徐々に軽減していきます。
産後の不調、お悩みなど気になることはいつでも龍樹鍼灸院へご相談くださいね。
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