美顔鍼・もし顔に鍼100本打つとどうなる?

鍼灸

顔に鍼を大量に打つ美容鍼が結構前から流行っていますが、ぶっちゃけた話そこまで打たなくても反応・ツボ・打つポイントを絞れば十分に治療効果は出ますし、他の先生も同様の考えの方は多いです。


顔に限らず、「下手な鍼灸師ほど、鍼を無駄に多く打つ」とよく言うものです。数打てば当たる的な発想になるのかもしれませんが、治療家がそんなスタンスではいけないと思います。

もちろん、鍼を打てば打つほど刺激量は増えるので身体への作用も多くなりますが、患者さんの体質や状態を診て刺激量を変えていくのが大切だと私は思います。


なぜなら刺激量があまりにも多過ぎると、かえってその後しんどくなったり身体のダルさが出る場合があるからです。これを瞑眩(めんげん)、好転反応という言い方もして、身体が正常な状態に戻ろうとする過程で出てくるものなので副作用とは似て非なるものですが、このダルさが治療後に出るのがイヤになったり、これで鍼が怖くなってしまう人がいるのも事実です。

刺激量、瞑眩・好転反応については、鍼灸師がきちんと患者さんひとりひとりに説明すべきですが、あまり話さない先生がいるのも事実です。

龍樹鍼灸院では、しっかりとカウンセリングをしてから身体に現れている反応を診て、刺激量を考えながら施術していきます。細い鍼、ローラー鍼を主に用いた心地よい鍼灸治療なので翌日の重だるさが出にくいのでご安心ください。


美容鍼の話に戻りますが、実際に顔に100本ほど打ってみると、こんな具合です。

自分で打ったので途中で抜けてしまったのとあまり綺麗に打ててはいないのですが、こちらは美容鍼ではなく身体に通常使用する鍼で打っています。実際の治療の時には、もっと細くて短めの鍼をお顔には使っていきます。

これだけ鍼を打つと確かにむくみはとれてスッキリするのですが、ここまで鍼をたくさん使わなくても効果が出せるかな、と自分自身思いました。

鍼を大量に打ってもらうと「たくさんしてもらった感」があるので満足感も得やすいのですが、もちろん顔の皮膚は薄くて毛細血管も多いので内出血のリスクも上がります。

あとは顔だけに刺激を与え過ぎると、「顔はリフトアップするけれど、夜眠れにくくなる」という方も稀にいらっしゃいます。

ですので、龍樹鍼灸院では美容鍼単体のメニューは出しておらず、通常の治療+美顔鍼のセットになっています。

通常は美顔鍼を受けると、夜はぐっすり眠れますが、顔や頭に鍼を打ち過ぎると夜眠れにくくなる人が稀にいる理由は、「頭皮の鍼が脳の血流量に影響を与えるから」と、H先生も仰っていました。なので厳密には顔というよりも、耳周辺、前頭筋、側頭筋、棒状腱膜、後頭筋への刺鍼が深く関係しています。


東洋医学では、顔のみに打つと気が上昇しやすいので足の太衝などに鍼を打って気を降下させる、という考えもあります。これも先生によって考えが様々で、「顔だけに鍼を打ったからといって、気が上がるわけではない」という先生もいます。

龍樹鍼灸院での美顔鍼は、お顔の反応+患者さんの気になる部位を中心にアプローチしていきます。単なる美容だけでなく、顔まわりと身体の健康と内部ケアにも着目した一石二鳥のメニューです。下の写真が、実際の治療中の様子です。

今後は新たな美顔メニューが出るかもしれませんので、お楽しみに。

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