アンガーマネージメントと青年期の事件

こころ

「怒りをどうやって沈めたら良いのか」と、悩んでいる方は非常に多くいらっしゃいます。

今回は私が中学生時代の、相当長くなる話ですが、子供ながらに怒りのコントロールについて深く考えさせられた出来事を冒頭に書き綴りたいと思います。


中学生時代、担任の女性の先生と生徒はいつも争っていて、クラスは常に荒れていました。クラス内に特に不良少年少女がいたわけでもなく、とにかく担任と生徒たちの馬が合わないという状態でした。

思春期の多感な子供なりの「正義感」もあり、いつもヒステリックな先生に対して「悪」「大人気ない」と認識していたのかもしれません。

授業がボイコットされたりまともに進まず他の先生が止めに入ったりというのが、何度もありました。

その担任の先生は気が強く、ちょっとしたことでもすぐ叱る先生でした。もちろん優しい面もありましたが、瞬間湯沸かし器の如くすぐカッ!となってしまうタイプでした。(もちろん、怒らせるようなことをする生徒も悪いのですが。)

その当時の生徒、特に男子生徒達と言い争っている事が多かったのですが、生徒も保身として反抗的態度をとるしかなかったのだと思います。


当時の私はひたすらバスケ三昧で部活に没頭している毎日だったのですが、そんな学校生活の中、ある日衝撃的な事件が起こりました。

その日は通常通り午後のホームルームが行われていたはずなのですが、男子生徒がふざけていた事が発端となり、先生が憤慨しました。

いつもの様に先生と生徒の言い争いが続き、その直後に先生がツカツカと歩み寄り、私の隣の席の男子生徒を椅子ごとなぎ倒し、ポコポコ殴り始めたのです。

昔だと体罰としてこんな事はよくある出来事だったようですが、現代で同等の事が起こったとすると、ニュースで報道されるだろうし教員は処分を受けるでしょう。

教室内は騒然となり、私もどうしていいのか分からず同級生がただただ殴られているのを隣で見ているしかありませんでしたが、非常に正義感が強く成績優秀な男子生徒が「やめろーっ!!」と身を呈して止めに入り、その後に他の先生も駆けつけ、その場は一旦おさまりました。

私の隣の席の男子生徒は、割と親しくしていた友人でいつも明るくヘラヘラしているようなタイプでしたが、流石に殴られた時は驚いた様子でしたし、目の前で友人が先生に殴られている様子を見たら、人によってはPTSDを発症したり、教員不信や大人不信などにもなりかねない出来事です。 

そして実はその生徒は全く悪くなく、先生の思い違いで殴っていたのでした。私たちの学年の中では当然大きな問題となり、結局先生本人が生徒の家に謝罪に行き、事態は終息しました。

実は私が小学生の頃にも問題を起こす担任の先生がいて、一時期〈大人は信じてはいけない〉と思っていた事すらありました。その小学生の時の先生は、私が卒業した数年後に体罰で大きな問題を起こし、免停になったそうです。もちろん学校には良い先生もたくさんいましたが、何故か問題沙汰になる先生が担任となることが多かったです。


話は戻りますが、時が流れ数カ月経った私たちの卒業間近に、「実は先生、怒りが抑えられなくて困っているんだって。◯◯先生に、相談していたらしいよ。」という噂を耳にしました。どうやら他の先生に、怒りが抑えられないことを相談していたようです。

当時中学生の私は、「先生も色々たいへんなんだなぁ。」と、思っただけでした。

しかし自分が大人になり、今になってあの出来事を思うと、先生は怒りがコントロールできず1人で悩みを抱え、ずっと苦しんでいたのかもしれない。と、感じます。

当時、ただヒステリックな先生だと決め付けていた事に対して、非常に申し訳なく思います。

教育者という立場でのアンガーマネージメントは、本当に難しい部分があると思います。そもそも今回のケースは怒りというよりも叱っていた、という表現のほうが正しいのかもしれません。

そもそも、怒りの感情が全て悪い、という訳でもありません。怒りや反骨精神が原動力となり、成功している人も世の中にはたくさんいます。

しかし、自分で抑制できなかったり問題に感じるのなら、改善の必要性があります。生きていると、怒りの感情が湧き上がらないようにするというのは難しく感じるでしょうし、そう簡単ではないかもしれません。

これまでたくさんの、怒りのコントロールに対してどうして良いかわからないという方に接してきましたが、まず「怒りの根源が何か」を認識しようとすることが大切だと考えています。

そして実は心の底で怒っていなくても、怒りという表現になってしまう場合もあります。自らの弱さ・自信のなさを隠すために怒ったり、保身のために暴力的になる人もいます。自分のことをどうして分かってくれないんだ?という嘆きの表れとしての怒りや、期待心から起こるものもあります。


精神疾患や発達障害で怒りやすく、怒りを抑える薬を常用されている方も多いですが、手段としては鍼灸治療もたいへん有効です。

他にも様々な治療法があり、例えばアンガー・ジャーナル(怒りに関する日記)を付けるというのもひとつの方法ですが、それと併用して副作用がなく安心な鍼灸治療を受けることを当院ではお勧めしています。

精神疾患があり、怒りが抑えられず暴れてしまい、子供に暴力を奮ってしまうという患者さんのアンガー・ジャーナルを数年前に拝見しましたが、幼少期の父からの虐待、兄妹の死、職場での上司からの暴力、自らの子供に手をあげてしまう…etc. かなり事細かに、ノートにビッシリと綴られていました。この内容が妄想ではなく事実であれば壮絶な内容ですが、それでも「現状を改善したい」と前向きに生きようとされていました。

 その方は、「鍼灸治療を受けると身体が軽くなり、イライラもしなくなりました。やっぱり鍼灸って凄く効果があるんですね!」と、鍼灸の治療効果を実感されていました。

怒りの抑え方でお困りの方は、まずは龍樹鍼灸院にご相談ください。

 

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