事故物件の定義とは

暮らし

以前、事故物件に住み続けているという人がいました。

今住んでいる物件はどんな部屋なのかを聞いてみたところ、間取りは1LDK+ベランダ付で、そのアパートへ入居する前に住んでいた男性がベランダで心不全で倒れて亡くなったそうです。

何故あえてそういった物件を選ぶのかと聞いてみたところ、「同じ間取りでお得に住めるなら、断然その方が良い」「別に寝室とかで亡くなった訳ではないし、気にならない」とのことでした。住んでいても不思議な現象が起きる訳でもなく、快適に暮らしているようです。

人によっては知人のようにお得な物件と捉えるでしょうし、何か災いが起きても嫌だからといって避ける方もいます。それは人それぞれですし、自由だと思います。

事故物件そのものが、某サイトの影響などで注目されるようになりました。〈事故物件住みます芸人〉として、神戸市出身の松原タニシさんが有名ですが、事故物件を転々として10年経つそうです。ベストセラーにもなった怪談集は、映画化もされています。

某サイトは投稿形式でMAPに事故物件が表示されるのですが、事故物件に住みたい、あるいは回避したいという方、興味本位で何処にあるか把握しておきたいという方々にニーズのあるサイトです。

余談ですが、私が札幌在住時代に住んでいたアパートでこんな事がありました。

その物件は1LDKで家賃は¥44,000、地下鉄駅から徒歩1分で申し分のない場所だったのですが、住み始めてから寝室の部屋の方が妙に気になりはじめて居間で寝るようになり、寝室は物置として使用するようになりました。

遊びに来た友人も、真っ昼間なのに寝室の部屋が薄暗く感じて気味が悪いと、何名かに言われました。

間取りのせいかな?とか気のせいだと思いつつ結局3年半住んだのですが、その物件を退去する数ヶ月前に、寝室の真下の階のテナントで十数年前にオーナーが自死されたのだと偶然知りました。

ちなみに居間の下はラーメン屋で、窓を開けるといつも美味しい匂いが漂ってきていました。

実際に住んでいた物件の居間のテーブル

私の部屋で何かあった訳ではないのですが、考え方によっては物件自体で起きた出来事だから、事故物件とも捉える事ができます。

 寝室の気味悪さとその下の階のテナントの件が関連性があるかは全く謎ですし、正直なところ自死の件が事実かどうかすらも分かりません。しかし、それを知った時は変な冷や汗がブワッと出ました。

そもそも、事故物件の定義とは?と疑問に思う方も多いでしょうが、結構曖昧なものです。

一般的には自殺や殺人事件の現場になったり、何か曰く付きの物件を指す事が多いのですが、どんな形であれ人が亡くなったのであれば事故物件だと認識する人もいます。

2021年10月8日、国土交通省は告知の基準を示すことでトラブルを防ぐため、「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表しました。

LIFULL HOME’Sのサイトに、ガイドラインが策定された背景について詳しく書いてあります。

心理的瑕疵ガイドラインが公表。事故物件や告知義務はどう変わるのか
国土交通省により「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」が公表された。ガイドラインが策定された背景や告知義務のポイントを解説する。

この中で〈死亡理由において、「自然死」は原則として心理的瑕疵には該当しない。〉と記載があります。つまり、老衰、病死、すぐに発見された孤独死などの事件性のないものは、入居者に告知しなくても良いのです。また、〈心理的瑕疵〉とは不動産取引に当たって、借主・買主に心理的な抵抗が生じる恐れのある事柄をさします。

実際に、私が神戸に引っ越す前にこんな事がありました。

不動産屋のサイトで神戸市の物件を調べていたところ、お値打ち物件があったので問い合わせたら「前入居者が室内で病死されました」と、不動産会社がわざわざ伝えてくれました。

前述の通り、この場合は不動産屋に告知義務の必要性は無いのですが、物件所有者の希望により「お客様からの物件問い合わせ時には、そのことを伝えるように対応してほしい」と言われていたそうです。

 所有者にとっては確実に不都合になるはずなのに、わざわざ告知してくれるなんて親切だなぁとも思いましたが、これは後々何か起こった場合のトラブル回避のためと思われます。

ちなみに上記のガイドラインはあくまで住居用で、オフィスは対象外です。

事故物件を東洋哲学的観点から見たらどうなのか?と思いますが、事故物件かどうかというよりも、間取りや地相が重要だと私は考えます。

人が亡くなった場所という部分だけを抽出すれば、病院は一体どうなるのかという話になってしまいます。それに家相の起源を辿ると、もともと墓地や墓石を吉相にして一族の繁栄を願うために使われていたものになるのです。

また、人間は環境に影響を受けやすいという性質を利用したものが家相になりますから、間取りがおかしければ心身共に影響を受けます。実際に、変な間取りの部屋では自死が絶えないという話もありますし、著名な易学者も「家相は科学である」と話されています。

自らの意識を強く保ち、何にも振り回されないくらいエネルギーが強くなれば、どんな空間へ行っても問題はないのかもしれませんが、やはり人は他動的な災いや原因に目を向けがちになってしまいます。

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました