メルカリで爆売れする呪術

東洋哲学

こんな記事を見つけました。

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占いブームの次は、呪いブーム到来?世も末だ、と内心思ってしまいましたが、呪術自体は世界各地に古来からあるもので、実はやってみようと思えば誰でもできるものです。

 もちろん力のある者が行う方が効果は高い可能性はありますが、やり方自体はそんなに難しいものではなく、その人の意識状態がポイントだと個人的には思います。

呪術本来の歴史を辿ると、豊穣や政治的発展、つまり国や国民のために使われてきたものが、現代においては比較的個人の願いのために使われることが多くなった印象を受けます。

呪術に関して言えば、呪術研究の先駆者のジェームズ・フレイザーは、呪術を大きく分けて〈類間呪術〉と〈感染呪術〉の2つに分類しています。

類間呪術は望む結果を模した行動を取るもので、丑の刻参り、てるてる坊主(太陽の象徴)がこれに該当します。

感染呪術は、一度接触したもの或いは一つのものであったものは遠隔地においても相互に作用するとされる事から、髪の毛、爪、歯、着衣を用いて、持ち主に影響を与えるor影響を受けることができるという考えです。これは〈同じ波動は引き合う〉という量子力学の話によく似ていますね。

大人気の某マンガ・アニメでも呪術がテーマとなっていますが、呪術は歴史的にも昔から頻繁に用いられてきたものです。

しかし本来は、豊作、降雨、病気の治癒、魔除けなどに用いられる事が多く、人を陥れたり不幸をもたらすためのものではありませんでした。

ちなみに医学の医の昔の字は「醫」とされていますが、その異体字として「毉」があります。巫女の「巫」の字が含まれている事から分かる様に、医学の起源がシャーマニズム的な部分から発生したことをよく表している字です。つまり現代医学が発展する前は、呪術や祈祷が治療の役割を担っていた部分もあるのです。

さて、話が本題から少し逸れましたがメルカリでは相手に不幸をもたらす呪術品だけではなく、「略奪愛成就」「不倫成就」「強力縁結び」などの呪術や呪物が大量に出品されています。

当然、売るのも買うのも、それぞれの自由です。そして呪術による呪いは、法律上は有罪にはならないようです。

しかしこういった商品を購入される方に、私はこのように投げかけたいものです。

・そもそも、何故そう願うのですか。

・一時的な感情で、判断していませんか。

・目先の利益だけ考えていませんか。

・自らのエゴではないですか。

・自分の幸せだけ考えていませんか。

・本当に、その願いがあなたの幸せですか。

・その願いが成就したとして、その5年後や10年後のビジョンまで考えていますか。

幸せの定義は、もちろん人それぞれですが、話を聞いていると、自分の〈本当の幸せ〉が何かも分からず、ただ目の前の出来事や他人の言葉、そしてこういった商品に翻弄され続けているような状態の方も非常に多く見受けられます。

そもそも販売されている呪術にどれだけの影響力があるのか、定かではないものばかりです。

 これは他の物を購入する時にも同様のことが言えますが、購入してはいけないという訳ではなく、よく自らの状態を理解して、必要性をきちんと把握してから購入すべきでしょう。でないと、ただのお金の無駄遣いになってしまいます。

さて、ここまで批判的な論調で書き綴ってはいますが、実は呪いと祈り・願いは紙一重的な部分もあります。強い祈りや願いが、結果的に呪いという形に変容してしまう場合もあるのです。

いずれにせよ、自らの状態を客観視できる状態にリセットすることが大切です。一旦リセットした状態に身を置くことで、正しい判断も出来るようになります。

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