謹賀新年・癸卯と五行

東洋哲学

新年あけましておめでとうございます。昨年は多くの方々のご支援のおかげで、ようやく新神戸にて鍼灸院を開院することができました。今年も益々発展していけるよう精進して参りますので、よろしくお願いいたします。

さて、年明けと共に当院の周辺の氏神様・二宮神社へ行ってきました。

御神籤を引くために並んでいたら、後ろのアベックの女性が「肝臓の数値も、ちゃんと神様にお願いしたで!」と、言いました。

他にも非常に具体的なことを話されていて、さらに金運や安産もお願いしたそうです。

以前書いた「辻占」と同じ要領で、五感、あるいは直感でキャッチできたものを象意として当てはめてみると、東洋哲学的には臓器と方位の関係でいうと肝臓=東(卯)になります。

金運に関しては西を思い浮かべがちですが、水気も非常に大切です。古来から、水の豊富な土地は潤い、発展することから金運へ繋がると考えられています。

さらに、結婚、妊娠、出産、赤子に関しては水気です。

2023年は癸卯(みずのと・う)、癸=水気、卯=木気となり、五行に置き換えるとまさに今年の象徴です。

五行説に関しては、時代によって変化したり、国によって五行の要素が違ったりするので「そもそもの起源は?」と疑問視する研究者や治療家が非常に多いです。日本の鍼灸史でも、そんなものはないと全否定する流派も出現しました。

しかし、その五行説に沿って日本文化が発展してきたというのは紛れもない事実です。

古墳の設立時期や位置関係、暦による吉凶、神社仏閣での行事、日常の習慣、あらゆる面でこの五行思想は影響を及ぼしてきました。

たとえば、身近でいうと節分の恵方もそうです。今ではスーパー、コンビニでの恵方巻きの販促活動が凄まじいですね。ちなみに2023年の恵方は、南南東です。案外、生活や行事の一部として染み付いている五行について、知らないという方のほうが多いものです。

五行説は一種の思想のようなもので、それを正しいのかどうかを問うのは、世界のあらゆる宗教や思想が正しいのか?という問いかけと同じ事だと思います。

何が言いたいかというと、五行説の存在有無云々を議論してもすぐに答えが出るものではなく、それを全く知らない人でも古来から日本人には潜在的、習慣的に染み付いているものというのは否定できないのでは?という事です。

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