令和3年中における自殺の概要から見る問題 鍼灸師にできることは?

こころ

自殺・うつ病による社会的損失について、ご存知でしょうか?日本でのうつ病による社会的損失が、2.7兆円であったと厚生労働省が発表しています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000qvsy-att/2r9852000000qvuo.pdf

しかし、これは2009年の少し古いデータです。最新のデータを見つけられなかったのですが、現在は損失額がもっと増加しているかもしれません。

政府は、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を令和4年まで80%にするという目標をかかげています。

それほど、自殺が深刻な社会問題になっているということです。

先進国(G7)の中でも、日本は自殺率が高いということで知られています。

先進国(G7)の自殺率

https://www.mhlw.go.jp/content/r1h-1-10.pdf

「自殺は個人の問題ではなく、社会問題である。」と言う方もいます。

バブル崩壊、失われた30年、震災、就職氷河期、超少子高齢化社会、…etc. そして2019年末からのコロナ流行。この数十年間、あらゆる面で低迷している日本社会。

日本は2050年には、先進国ですらなくなる、という予測もされています。

決して暗い話題ばかりではない、としても、なかなか明日への希望を見出せない方もいらっしゃるでしょう。

独り身であったり、年齢を重ねるににつれて不安を強く感じるようになる方は多いですが、コロナ渦以降は老若男女問わず、不安を常に感じていらっしゃる方も非常に増えています。とにかく、誰もが不安や恐怖に過敏になっている時代です。

「健康は運命の土台」と、私の恩師が常々口にしています。

正に、その通りだと思います。

心身ともに健康であれば、割となんでもできます。健康を害すると、何をするにも妨げとなってしまいます。どんなことでも、まずは「健康から」スタートなのです。

不安や恐怖が勝ると、免疫力が下がり、風邪や病に冒されやすいといいます。

人々の暮らしを快適なものにする、つらさや悩みを少しでも緩和するために鍼灸師として活躍されている先生が、ほとんどだと思います。

私は慢性的なつらさの緩和に加えて、現在、そして未来の日本のために鍼灸師としてできることは、なんだろうか?と、常に考えています。

突然ですが、まずはこちらのデータをご覧ください。

こちらの表は、厚生労働省自殺対策推進室 警察庁生活安全局生活安全企画課による、「令和3年中における自殺の状況」のデータから抜粋したものです。

詳しいデータはこちら↓

https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/R04/R3jisatsunojoukyou.pdf

何を申し上げたいかというと、健康問題による自殺者数が、圧倒的に多いという事です。

注釈部分に、「自殺の多くは多様かつ複合的な原因及び背景を有しており、様々な要因が連鎖する中で起きている。」とあるので、健康問題のみが要因ではないとしても、健康問題が関わっているという点に関しては、間違いありません。

この健康問題の部分には、うつ病などの「こころの病気」とされているものが多く関係しています。

24時間対応の電話相談窓口や、SNSもありますから、もちろん不安に思うことは何でも相談されるのも良いとおもいます。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_tel.html

しかし、体の部分の不調は、自分で思っているほど自覚できなかったり、案外気づかなかったりすることもあります。もちろん身体の状態が心にも影響しますし、その逆もまた然りです。

身体の自覚できない不調、たとえば平衡感覚に関しては、脳が認識できる部分が無いことから、絶えずストレスがかかっていても、分からないものです。

当院での鍼灸治療では、こころの病でも、そのほかの病気でも内耳点は非常に重要で、必ずチェックするポイントです。

(うつ病の治療に関してはこちら

内耳点は重点的に

重度の精神疾患に関しては、むずかしい部分もありますが、うつ病等のメンタル疾患に鍼灸が有効であるという点からも、人々の心身の問題を取り除くことが、自殺率を増加させない「草の根活動」になると私は考えています。

 

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