怪しい霊能者と家相家運の話

東洋哲学

かなり前の話ですが、私がマンションに住んでいる時に霊能者にこんなことを言われました。

怪しい人:「う~ん、あなた、部屋の上側…屋根に何かあるわね。それが良くないわ。悪さをしている。」

私:「屋根…ですか?屋根というか、その上の階には人が住んでいますけど」

怪しい人:「じゃぁ、その上の階の住人が良くないし、その影響を受けているわ」

私:「はぁ…」

怪しい人:「清めといてあげるから、もう大丈夫よ」


皆さんは、こう言われたらどう思いますか?

「不運の原因が分かってよかった」「お祓いしてもらってありがたい」「怪しすぎる」「根拠が全くないので信用できない」「事実無根だ」…などなど、受取り方は人それぞれでしょう。

私の場合はなんだか釈然としませんでした。それにその人が本物の霊能者であろうとなかろうと、いかにも不運を取り除いてあげたように誘導する手法も世の中には存在するので、なんだかなぁ…といった具合でモヤッとした気持ちになりました。

そもそも私は霊視鑑定を自ら進んで依頼したわけでもなく、ご縁となりゆきで、どういう訳か視てもらうことになったのです。


私の恩師は霊能者を毛嫌いしていました。なぜなら霊能商法の99%が詐欺まがいの事をしているからだと私に教えてくれましたし、それには納得です。霊能者みんなが悪徳商法をしている訳ではありませんが本当に力のある方は一握りで、しかもそういう方々はごく普通に質素に生活していたりもします。怪しい霊能商法で人々から金をむしり取るよりも、ボランティア的に無償で使うor力を使わない、というケースもあるそうです。

世の中には怪しい商法で「救われた」と思う方も中には多く存在するのも事実ですし「救われたなら、詐欺でも結果的に良いんじゃないの?」という人もいますが、「それで本当に根本原因が解決していますか?」と、私は問いたくなります。

龍樹鍼灸院の紹介ページでも〈不調の根本改善〉というフレーズが頻繁に出てきますが、それと言いたいことはまるっきり同じです。不調の根本部分の治療を疎かにするとまた症状が再発しやすいのと同様に、何事もごまかされたりあやふやにされてしまうと、その悩みの根源が分からないまま〈解決したつもり〉になってしまうのです。それでは問題がずっと堂々巡りです。


さて話は戻りますが、霊能者の言う「上の住人がよくない」というのは「あなたの上の階に住んでいる人の気が悪い」という事です。

他のフロアに住んでいる全然関係のない人が何故影響するの?と疑問に思う方もいるでしょうが、気の世界では影響大なんです。ただそれが全てかというと、そうでもありません。

影響はあるけど、100%ではない。それってどういうこと?と、混乱してしまいがちですが、もしこんな風に霊能者などから助言された場合は可能性のひとつとして〈周囲の環境を見直してみる〉と受け止めて結構です。


新居に引っ越してから不運が続いているという方の悩みを聞いてみると、ご近所で驚くような事件が起こっていたり、トラブルが絶え間ないという事が非常に多いです。逆に幸運続きの人はどうかというと、ご近所さんに恵まれていたり良好な関係を保ち続けていることも多いです。

マクロで観るともちろん人間関係だけでなく、自然の緑、公園、川、道の広さ、街灯の明るさ…etc. 数多くの環境要因が、人間の心理に影響します。心理的にはたらきかけるということは、当然肉体にも影響します。


さらにミクロで考えた場合は、それぞれの部屋の家相がどうなっているか?という部分にまで辿り着きます。それも総合的に観なくてはなりません。例えば〈北向き玄関は悪い〉と捉えがちですが、全てがそうではなくて他の間取り・どういう家族構成の人が住むのか、といった細かい所まで考えていく必要性があります。

東洋哲学の家相の着眼点は勉強になることも多いです。実は鍼灸師の中にも東洋哲学アレルギー(東洋思想を一切受け付けない思考の人)のような人は結構いますが、優れた家相書を読むと「あぁ、なるほど」と思わざるを得ない事も多々ある上に、日本の家相の本とブリハット・サンヒターのような古代インドの書物との共通点もあり面白いです。

私は怪しい霊視よりも、中国や日本古来から研究されてきた家相の方が信憑性があると思っています。


また話が逸れてしまいましたが、今日書きたい事を簡潔にまとめるとこうなります。

・霊能者に惑わされてはいけない

・マクロ・ミクロで住環境を観てみる(良い家運は環境整備から!)

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