季節性うつ病(SAD=Seasonal Affective Disorder) 

鍼灸

美しい紅葉、旬の味覚。秋は稔り、人は悦に入ります。

秋の平岡公園

その一方で、なんだか物寂しい、気力が湧かない、塞ぎ込みがちになってしまうという方は、比較的多いのではないでしょうか。

何日も前からブログに書こうと加筆していたのですが、タイムリーに昨日の夕方のTV番組で「冬季うつ病」について放送されていました。

朝なかなか起きれない、日中とても眠い、甘いものが異常に食べたい、体重増加…etc.こういった症状は冬季うつの可能性があり、原因は秋から冬にかけての日照時間の減少によるセロトニン不足(神経伝達物質のひとつ)によるもの、という内容でした。

私が20代前半の頃、毎年夏は痩せ冬は肥えるので、夏冬で比較すると5kg以上体重差がありました。まるで冬眠に備えた熊のようでしたが、秋に爆発的に食欲が増えるので、抑制が利きませんでした。今思えば、季節性うつの症状によく似ています。

サホロ•ベア•マウンテンの熊

ちなみに季節性うつ、秋うつ、冬季うつ、ウィンターブルー、季節性情動障害などと言い方は違いますが、どれも同じことを指しています。

あらゆる技術の発展により、室内の気温、湿度、明暗をコントロールできる環境を人類は手に入れたといっても過言ではないはず。

それでも、人間が季節の影響を受けるのは何故でしょうか。

季節の変化が人間に与える影響は無視できないと、季節の持つ医学面の重要性を提唱したのが南アフリカ共和国出身の精神科医、ノーマン・E・ローゼンタール率いるチームでした。

ローゼンタール医師に関しては、「米国のトップ精神科医ガイド」に紹介されているようです。

ローゼンタール医師の著書「季節性うつ病」によると、季節性うつ病の主たる原因としては先述の通り日照時間不足によるもので、あらゆる人種、職業関係なく老若男女、誰にでも起こりうるが、高緯度の国、20〜40代の女性に多い、とのこと。

女性に多い理由は不明だが女性の妊孕性から考えてエネルギー温存のためではないか、という推論が記されていて、これにはなるほどと思いました。

治療には専用の光治療器を用いて光を照射する手法が効果的で、ローゼンタール医師らによって1982年にこの治療が確立されました。現代でも西洋医学的に治療はこの高照度光照射療法がメジャーなようで、睡眠障害などにも使用されています。

調べてみるとAmazonや楽天で、お手頃価格のセラピーライトが販売されていました。

自然光を浴びて治療する場合は、天候によって明るさに差が出るのを考慮しなくてはならないとのことです。

当初この光治療の効果は眼球を通してなのか?それとも皮膚を通して効果があるのか?と問題になり、比較治療により光の抗うつ効果は眼球を通して現れるということが判明しました。光の刺激は網膜を通して、脳に伝わるのです。

多くの人に効果が見られるというこの光療法ですが、私や母が光過敏症(視覚による特定の光や色が苦手で、その状態が長時間続くと頭痛やめまい、吐き気で寝込んでしまい日常生活に支障をきたしてしまう症状)なので、こういった特定の光が苦手な人に対して光療法の代替としても、鍼灸が有効的だと私は考えています。

なぜなら鍼灸の刺激が脳に作用し、セロトニンの分泌が増加すると言われているからです。

季節性うつ病の改善へ向けて、その他に心掛けるべき事としては食事と運動、ストレス管理と、一般的に健康維持として提唱されている内容でした。

季節性うつ病の居住地による発病率に関しては、また後日書きたいと思います。

〜あとがき〜

ちなみにローゼンタール医師は、超越瞑想について書いたベストセラー「Transcendence(邦題: 超越瞑想 癒しと変容)」の著者でもあります。

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました